2023-09-07(Thu)
暁の明星 1・2巻ネタバレ【爛れたフランス貴族の伏魔殿修道院での地獄】
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★暁の明星/きづきあきら・サトウナンキ/第1・2巻/少年チャンピオン・コミックス エクストラ もっと!/あらすじ・感想・ネタバレ(完結)
第1巻228P・第2巻210P。
●暁の明星 1・2巻ネタバレ・あらすじ●
「やきもちなどやいたら社交界の笑い者よ!」「結婚して やっと私達恋ができるのよ」
舞台は、革命直前のアンシャン・レジーム時代のフランスで、「夫を持てば夜遊びOK・愛人OK」な社交界・ただれた貴族文化。。
貴族女性は未婚だと音楽教師だの牧師様だけが殿方でも、結婚したらサロンに行けば素敵な殿方と巡り合えて愛人を持てる。。
それが社交界、みだらな宮廷・教会・・・。
ただし、そんな風に風紀は乱れにみだれていても、やはり実の兄妹の恋愛は禁忌な時代なのでした。。
だから、兄ロランは妹への想いを「忘れるために」浮き名を流し、妹アリーヌ(16)は親のすすめ通り婚約者のジャックと結婚する事で相思相愛の恋心に封印をしようと決意。
しかし、ロランが放蕩の果てに逮捕されるや、アリーヌは父から結婚まで修道院で生活してほしいと要請されてしまいます。
尼になるわけでは無い・お前は兄とは違って潔白だと世に示してくれ・・・父にそんな風に請われたアリーヌは、
・・・小さい子や私くらいの子や未亡人もいて 行儀見習いや勉強をする場所だとは聞いていたけれど・・・もう友達とのおしゃべりやお菓子
ドレスの見せっこもおしまい そのままそうして結婚・・・でもこれは主がお決めになった事だ 禁断の恋心を主が見抜いてそうせよと導いてくださったのだ ・・・と観念して従うことに。。
そう、二年前、アリーヌはロランとくちづ.けしてしまったことがあるのだけれど・・・。
子供の頃、近親相oで公開処刑された罪人を見たことがあるアリーヌは、その純真さや信仰心の強さもあいまって どうしても禁断の恋に踏み込むことができず、そのまま修道院入りしてしまうのでした。
しかし、釈放され愛する妹の行き先を知ったロランは愕然。
アリーヌが入れられたサン=トラップ修道院は、院長とその愛人のクロワマール侯爵が支配、良家の子女や寡婦を預かって貴族の慰みものにしていて、彼女たち自体もただれまくっている・・・
治外法権的やりたい放題な場所で夜「秘密の集会」をしている、淫蕩の巣なのでした。。
しかもそこに集っているのは高貴な身分の方々ばかりで、アリーヌのふるまい一つでお家の・アリーヌ自身の未来がかかっているという枷がある地獄。。
お兄様への想いから逃れて 罪を遠ざけたはずなのに 結局地獄に堕ちるのだわ
修道院にておぞましく禍々しい「狂気の宴」を目の当たりにしたアリーヌは、絶望の淵へと追いやられたけれど・・・!?
●暁の明星 1・2巻 感想●
きづきあきら・サトウナンキ先生の一連の作品のイメージからすると、(広域に渡った題材を取り扱いつつも)恋愛やエo多めなのかな・・・と思いきや、、エoがあっても意外と重かった。。。
権力闘争や乱.倫な貴族社会で、、歴史ドラマみたいなジェットコースター展開。この修道院からは行方不明の子女が35人も出ているのに、
逃亡扱いで調査は一切行われていないような伏魔殿。。
淫らな宴に放り込まれた良家の子女・・・なんだけど、きゃっいけませんお代官様およしになってーあれ~的な一昔前の時代劇風ライトさ(?)より、、もう何割かずっしり来る感じで何気にヘビー&複雑な読後感。。
自由な現代日本に産まれて良かった・・・としみじみ痛感するような、、蹂躙のされ具合。。。両家の子女なのに。。
権力にあかせて「若い花」を踏みにじる貴族・権力者達のエッグい「漁り方」にゾゾッとしたり(仮面をつけてるから表情はあんま見えないんだけど。。
セリフとか行為が・・・ゲスい・・・キモチワルイ。。やってる男もおぞましければ、その余興で楽しめる女達も人に非ず・・・と言った感じ。。。)。。
そしてアリーヌはもとより、侍女セシルや婚約者ジャックの人の良さ・ピュアさに恐れ入ったり(これぞ愛・・・なのか・・・涙)。。。
禁断の恋の行方に、結末までハラハラしまくったり。。
それでいて、アリーヌの高潔さに憧れながらも残虐な行為をする某キャラの”神は祈りに応えたりしない”・”いつも通り神は手をさしのべたりしない 善いも悪いもない
神無き世界には全て無意味なのだ”と言う部分にだけ、妙に共感してしまってちょっと何とも言えない気分になってしまったり。。
そんな色々な感情が心をよぎりつつ、読破。。結末まで読んで振り返ってみると、鬼畜と純愛が混濁しつつも意外とまとまったお話なのかも。特に、女性モノにありえる感じの結末だったし。。
普通のTLよりはどーんとお腹に来るものがあるけれど、ちょっと違う毛色のものを読んでみたい時にオススメ・・・かも!?w
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アリーヌと侍女同士でo女検査を強制されるなど、、やらされることや痴.態は濃いめながらも、意外と描写はしきゅーに来るようなエoではないような。
どことなく歴史ドラマや映画っぽいような。。だから女性漫画カテゴリなのかな。
その他***1・2巻とも丸々表題作。2巻の巻末には、作者がどうこのお話を作り上げたか等・参考資料の紹介ページ・あとがきあり。
THE波瀾万丈!!だったけど、最終回のアリーヌの幸せそうな微笑みを見てホッ。。あれ、絶対「気づいてる」と思うんだけど、多分。。。
・・・色々経て「潔癖で耐えられない」よりはレベルアップしてたんだろうなぁ。。あと「本」・・・伏線だったのね。。
ダークだけど、それでも貫かれた無垢さ・強烈で衝撃的な世界を堪能できた一品でした。
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