2023-09-01(Fri)
僕らは自分のことばかり 1巻1話 【ネタバレ】【あなそれ作者の繊細青春群像劇】
★僕らは自分のことばかり/1巻1話/感想・ネタバレ・あらすじ/ハルノ晴/少年マガジンエッジ/少年漫画
(※これはサイト統合により青年館からリライト・移動させた記事です。)
全二巻。1巻は表題作5話 + その後(?)なちょっと後日談イラスト + あとがき。
オムニバス形式でつづる、ガラス細工のような思春期・青春群像劇。
登場人物がつながっていたり、2巻「最後の最後」に仕掛けアリ。情緒と繊細さのハーモニーが個性的な一本です♪
●僕らは自分のことばかり 1話 「神様の赤い羽根」ネタバレ・あらすじ●
”頭一つ出てたからすぐにわかった 神様の頭だ”
”ヤツは覚えていなかった 凡人の一人なんて まあ当たり前か”
”オレだって空を飛べたら つむじしか見えない下のヤツなんて 見下ろさない”
・・・今話主人公の羽田(はだ)くんは、高校で広石直司(ひろいしなおし)と再会するも、全然記憶してもらっていなかったから少々複雑な心境に。
2人の出会いは、小学校の頃やっていた少年サッカーチーム。。当時羽田くんはエースだったけれど、隣町の対戦相手:直司に圧倒的才能と天才ぶりを見せつけられたため、、
嫉妬すらも感じれないほどの強烈な羨望を抱いたのでした。
そう、その時羽田くんは「神を見た」と思ったのに、、この進学校での直司と言えばサッカー部に所属するどころかチャラチャラして別人かのよう。。
だから羽田くんはそんな直司を見て、「遠い世界のヤツのはずなのに 何でこんな地上に降りて来てんだよ」とその半端ぶりにイライラしてしまいます。。
あと、その子供の頃の対戦直後、街で直司が赤い羽根街頭募金のボランティアをしていた時に、ちょっとしたアクシデントがあって・・・。。。
羽田くんは舞い散った赤い羽根に神さまの力が宿って真っ赤に燃えているようだった・・・と、その時の「鮮烈な記憶」が今も脳裏に焼き付いているのに。。
直司はプロユースに選ばれたのに、・・・ただの「凡人」である自分では叶えられなかった夢を、代わりに果たしてはくれなかった。。。
そしてそれはもちろん、ただ勝手に彼に希望を託していただけだったけれど、羽田くんは「新たに起きた出来事」もあいまって、期待を裏切られた気持ちになって落ち込んでしまうのでした。
だから様子を見に来た直司に、羽田くんはとある一言を投げかけると。。
直司は羽田くんの腕をつかみ、思いもよらぬ言葉を口にして・・・!?
●僕らは自分のことばかり 1話 感想●
羽田くんと直司はそんなにちゃんとした交流があったわけじゃないのでほんとに一方的に夢を託しただけだったんだけど、、
そのモノローグやら話運びやらが読者の心を掴んじゃう求心力バッチリなので、、ついつい共感・・・!?
センチメンタリズムがあるものの自己陶酔しきってなくて、優しさやらほろ苦さなんかもあって。。
生々しい感情がありつつも、見苦しくなくて総じて見ると最後はハートフルさすら感じるのは、今連載中のあなたがしてくれなくても(本館)と共通してるのかなあ。
(ハルノ晴先生節、炸裂・・・!)
うん、思春期のセンチメンタリズムとか青春時代の多感さ・何かが足りない歪みって、、それをとうに通り過ぎた大人からするとなつかしの痛みではあってもリアリティとしては遠い世界に感じちゃいがちなんだけどねえ。。
この一本は、価値観や立場やらなにやらが違う主人公それぞれの感情の変遷がとても身近に感じるし、その行方が気になるとこがよかったかなあ。。
デリケートな心情を綴っていても綺麗ごとすぎず・かといって殺伐ともしすぎてなくて、読後感がいい。
漫画読んでると言うより小説を読んでいるかのような、言葉選び・そして情景描写だったかも。
◆ハルノ晴先生ネタバレ関連記事一覧 私がひとりで生きてくなんて・あなたがしてくれなくても・僕らは自分のことばかり
「サッカーやったらもてるぞ」・「しかも今なら即レギュラー」と先生からサッカー部に勧誘されて、
「それで満足して 何になるんですか?」と言っちゃう、最初は冷めきっていた羽田くんのその後に安堵・・・(笑)!?
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